トランプ勝利を支えた有権者の本音と建前

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アメリカの大統領選挙でトランプ氏がまさかの大勝利でした。まさかというのは事前のメディアの予想はことごとくクリントンさんが最終的には勝利するだったからです。

当初、このようなマスコミの予想に流されて、接戦だけれど最終的にはクリントンさんかなぁと思っていましたが、投票前日のトランプ氏の選挙演説の音声とそれに沸く支持者達の歓声や会場から沸いてくるような熱気の音。これを聞いたときに、もしかしたらもしかするかも。そう思いました。
そのとき、改めてこの大統領選挙でトランプさんが勝つとしたらどういった意味があるだろうとできるだけ冷静に考えてみたんです。

選挙資金の圧倒的な格差

メディアを中心とするスキャンダル報道

事前のテレビ討論会では３回ともクリントンさんが優勢

政治のプロとして現役で活躍するクリントンさん、一方トランプさんは政治経験も軍事経験もなし

有名人がこぞってクリントン支持を表明しトランプ氏を激しく攻撃

共和党代表として出馬するのに共和党内部からも激しい批判者が続出

などなど

こういったメディアを通じた情報のどれをとってもクリントンさん有利

直前の市場調査でもクリントンさん有利

でも、なんだかんだいわれ、散々たたかれているにもかかわらず、熱狂的な支持者がいるし直前まで接戦という報道。

もし、この結果トランプ氏が勝利したら、多くの現状に不満を持つ人、自分には何もないとあきらめかけている人に大きな希望を与えてくれるんじゃないか。そんな風にも思いました。で、それがあながち絵空事じゃないというのを投票前日の演説集会の様子で肌で感じたわけです。

そして、結果は予想を上回る選挙人の獲得でトランプ氏が勝利。

その後のメディアでの分析で、インタビューではクリントンと答えていても本音ではトランプと思っていた有権者が多かったのではないか。調査方法に不備があったのではないか。そういったことがささやかれているようです。

これを聞いてすごく思い当たる節があるんですね。

圧倒的な力を持つ上司や社長から「そうだろ？」と聞かれれば、内心では「いや。違うと思います」と思ってもとてもいえないわけです。なのでその場をやり過ごそうと「はいそうですね」と肯定してしまうのがサラリーマンの悲しい性だった。でも今回の選挙では、その本音で投票した人のお陰でトランプ氏が勝利した。

自分だけがノーといっても社会は変らないだろうと思って多くの人が投票しなかったら今回の結果は違っていたかもしれません。

どんなに暴言やスキャンダルを流布されても、それはあくまでも本業外の話で、有権者が一番注目しているのは、自分たちのことを本当に実現するためにやってくれそうなのかどうか？

８年前の大統領選挙で、名演説で大衆を魅了したオバマ大統領ですが、そのオバマ政権が、結果として期待にこたえてくれなかったと感じる有権者が今回の選挙でノーという行動を起こし、それがトランプ氏を勝利に導いた結果なんだと思いました。

ともすると本音で行動するのはみっともないとか、大人気ないという風潮がまかり通っていましたが、自分にうそをつかない事の大切さと勇気、可能性、希望みたいなものを今回の大統領選挙で見直した、そんな気持ちになりました。

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